作者のジャン=フランソワ・ミレーは、パリ郊外のバルビゾン村(※)に移住し、自然の中で暮らす農民たちの姿を描き「農民画家」と呼ばれるようになります。
(※)バルビゾン派とも呼ばれました。
作品に描かれた現実
「落穂拾い」
19世紀に入って、近代化は農村にも及び、広大な農地を一人の大地主が所有し土地を持たない農民たちを雇う制度が確立していきます。
作品には、
①:農地で収穫された大量の穂を荷台に乗せる使用人たち。
②:馬に乗って農地を見回り、監視する地主か管理人
の人々が描かれています。そして、手前に畑にのこった落穂を拾う女性たちが描かれて言います。
落穂を拾う事は、貧しい農民に許された施しでした。
この作品には、当時の農村で広がる格差が描かれています。
ゴッホへの影響
敬虔なキリスト教徒だった、ミレーは信仰心に訴えるような作品を残しています。
「晩鐘(ばんしょう)」
ゴッホも、宣教師を目指したほどの敬虔なキリスト教徒で、貧しい農民たちの日常を描いてもいました。
「じゃがいもを食べる人々」
ミレーは、ゴッホが最も尊敬していた画家の一人でミレーの作品を20点以上、模写しています。
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