印象派の創設メンバーでもあるエドガー・ドガの影響を強く受け、印象派展にも出展していることから印象派の画家とされることが多いメアリー・カサットの作品「子供の入浴」です。
「沐浴」「湯浴み」と呼ばれることもあります。
メアリー・カサットはアメリカ人ですがヨーロッパ各地をまわるなど、主にヨーロッパで制作活動を行っています。
ある日、カサットはパリのとある画商のウィンドーでエドガー・ドガのパステル画を見て強く感銘を受け、その後、ドガとも対面、印象派展への出展を誘われるなどドガの影響を強く受けます。
その為、印象派の特徴とされる戸外で光や水の揺らぎの様子を描くという作風ではなく、主に母子のあたたかな様子を描いた作品が多くなっています。
作品 子供の入浴(沐浴、湯浴み)
本作品は、メアリー・カサットがよく作品の対象としていた母子の様子の描写ですが、他の作品とは違い高い視点から描いています。
「子供の入浴(沐浴、湯浴み)」
(1893年)
母子の腰を画面中央に配置して、お互いの体を対角線上に描いています。
また、画面のちょうど中央線に母子の顔の間をえがいており、母子を中央で分けることで子供の入浴場面でありながら静かで動きをあまり感じさせない作品となっています。
本作品でカサットは母子の様子を高い視線から描いていますが、カサットが強く影響を受けたエドガー・ドガも母子ではありませんが湯浴びをする女性を高い視点から描いています。
「湯盤」(エドガー・ドガ)
(1886年)
高い視点からの描写は、当時、パリで流行していた日本の浮世絵の影響と言われており、ドガやカサットも浮世絵を好んで鑑賞するなど影響を植えていると言われています。
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