母子の様子を描いた作品を多くのこした印象派の女流画家メアリー・カサットが弟の家族をモデルにして描いた「舟遊びする人たち」です。
メアリー・カサットは他の印象派画家同様にジャポニズムの影響を大きく受け、本作品の画面を大きく男性が占めている構図や帆がほとんど画面の外に出ている構図などジャポニズムの影響があると言われています。
また、本作品は印象派が生まれるきっかけを作った画家エドゥアール・マネの「船遊び(ボート遊び)」から着想をえていると考えられています。
作品 舟遊びをする人たち
メアリー・カサットはアメリカ人ですが成人後は、生活をパリを拠点にしてヨーロッパ中をまわるなど主にヨーロッパで作品制作・活躍した画家です。
本作品「舟遊びする人たち」も南仏に滞在中に制作した作品です。
「舟遊びする人たち」
(1893-1894年)
弟の家族をモデルにして描いたとされており、の他の作品同様に母子が描かれています。
母子を中心に、右手に男性の背を大きく配置し左手に画面から飛び出したように帆とオールを描いて画面のバランスがとられています。
特に画面から帆やオールが飛び出したような構図は日本の浮世絵の構図から影響を受けていると言われています。
カサットの義理の妹になる女性の視線はカサットの弟に視線を強く向けてられています。
子供の視線と比べると、母親の視線の強さが印象的です。
男性の服と水面の色は深い青色で描かれ、母子は明るい青色で描かれており対比されています。
一番濃い青色で描かれた男性に視線が最初に行き、その後、二番目に濃い青色で囲まれた明るい青色の母子に視線が向かうような誘導が行われています。
左に一部描かれている帆と母子の帽子が同色で描かれており、帆に母子を強調する効果を与えているようです。
本作品は、エドゥアール・マネの「船遊び(ボート遊び)」から着想を得ていると言われています。
「船遊び(ボート遊び)」(エドゥアール・マネ)
(1874年)
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