ユディトは、旧約聖書に出てくるユダヤ人女性で、自分の住む街を攻めてきた敵の司令官の首を斬り落とし、街を救った女性です。
物語のなかでは、美しく魅力的な女性とされており、多くの有名な画家が題材として描きました。
ボッティチェッリ 「ユディトの帰還」
ルネサス初期にイタリア フィレンツェで活躍したサンドロ・ボッティチェッリが描いたユディトです。
ユディトと侍女が敵の司令官の首を持ち帰るところを描いています。
「ユディトの帰還」
(1472年頃)
ルーナス・クラナッハ(父) 「ユディト」
ルネサス期のドイツの画家で、同名の息子と区別するため、(父)と表記されることが多いです。
「ユディト」
(1530年)
クラナッハ(父)は、同時代の宗教改革者マルティン・ルターの友人で、彼の肖像画を多く描いています。
「マルティン・ルターの肖像」
(1529年)
歴史の教科書などによく使用されているルターの肖像画は、ほとんどがクラナッハ(父)のものです。
ジョルジョーネ 「ユディト」
「眠れるヴィーナス」で有名なジョルジョーネが描いたユディトです。
当初は、ラファエロの作品と思われていましたが、ジョルジョーネの作品と認められている数少ない作品の一つです。
「ユディト」
(1502年)
カラヴァッジョ 「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」
カラヴァッジョは、ユディットがの司令官のホロフェルネスの首を斬り落とす場面を描いています。
「ホロフェルネスの首を斬るユーディット」
(1598-99年頃または1602年)
カラヴァッジョは、それまで、ユディトを題材にした作品は、ユディトがホロフェルネスの首を切り落とした後の場面が描かれていたのを、切り落とす劇的瞬間を描きました。
ジェンティレスキ 「ホロフェルネスの首を斬るユディト」
カラバッジョの作品に倣って描かれた、女性画家アルテミジア・ジェンティレスキの「ホロフェルネスの首を斬るユディト」です。
「ホロフェルネスの首を斬るユディト」
(1620年頃)
カラバッジョの明暗対比などの様式に強く影響を受けた画家たちをカラバジェスキとよばれることが多いですが、ジェンティレスキ はカラバジェスキの代表的な画家です。
ゴヤ 「ユーディットとホロフェルネス」
スペインの画家、フランシスコ・デ・ゴヤが晩年、自身の家の壁に描いた一連の絵「黒い絵」の一枚。
「ユーディネットとホロフェルネス」
(1819-1823年)
ゴヤは、一連の「黒い絵」それぞれの作品に名前はつけておらず、後に美術史家などにつけられた作品名です。
この作品では、ホロフェルネスの頭部は描かれておらず、ユディトの左手に持たれていると思われます。
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