17世紀オランダ黄金期の女性画家ユディト・レイステルの作品「最後の一滴」です。
レイステルの他の作品同様に1903年までフランス・ハリスの作品と誤認されていました。
本作品の特徴でもある画中の骸骨は、後年塗りつぶされ代わりにランプが描かれていましたが1990年代に修復が行われ、骸骨が現れました。
また、レイステルの他の作品「陽気な三人」と対の作品とも考えられています。
作品 最後の一滴
本作品に描かれている男性2人はかなり飲酒がすすみ酔いがまわっているように見えます。また、2人は骸骨の存在には全く気が付いていない様子です。
「最後の一滴」
(1629年頃)
17世紀当時、骸骨はよく絵画作品に登場した題材で、いずれ来る死を表していました。
本作品の骸骨は砂時計を掲げ、この楽しい時間はいつまでも続かず、いずれ終わりが来ること。そして、いずれ死が訪れることを伝えています。
また、骸骨は飲酒による不摂生による結果を伝えようとしているのかもしれません。
本作品で大きな意味を担う骸骨ですが、レイステル死後に塗りつぶされてしまい、長い間代わりにランプが描かれていました。
レイステルの意図した意味は大きく損なわれてしまっています。
本作品は、レイステルの他の作品「陽気な三人」の対の作品とも考えられています。
「陽気な三人」
(1629年頃)
「陽気な三人」が飲酒が始まる昼の状況の描写で「最後の一滴」が宴会が続いておわりに近づいている夜の状況の描写とされています。
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