印象派の代表的画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの作品「フェルナンド・サーカスの曲芸師たち」です。
本作品は、「二人のサーカスの少女」「フェルナンド・サーカスのジョングルーズ」などで呼ばれることがあります。
第七回印象派展に出品した際には、ルノワール自身は「ふたりの姉妹」という題名で出品しています。
描かれている二人の少女は当時、人気を得ていたフェルナンド・サーカスの団長、フェルナンド・ワルテンベルグの娘でフランチェスカとアンジェリーナがモデルとなっています。
ルノワールは、印象派の創設メンバーでもあり、サーカスのひと場面の作品も制作しているエドガー・ドガとともにこのフェルナンド・サーカスを何度も訪れていたようです。
作品 フェルナンド・サーカスの曲芸師たち(二人のサーカスの少女)
軽業師の二人の少女が芸が終わったあとに観客に挨拶をしている様子が描かれています。
モデルは、フェルナンド・サーカスの団長の娘で名前はフランチェスカ(観客に挨拶している方)とアンジェリーナ(オレンジを抱えている方)です。
「フェルナンド・サーカスの曲芸師たち」
(1879年)
暗い服を着ている観客と暖色で彩色されたサーカスの舞台と少女たち対照的で、鑑賞者はサーカスの舞台にいる少女たちに温かな印象をうけます。
また、少女たちの影をまったく描かないことにより、暗い服の観客との比較が強調されています。
床に落ちているオレンジは描かれているものの影はえがかれておりません。
暖色系でまとめる為、アンジェリーナはオレンジを抱えていますが、暖色の配色に統一するためオレンジを描いているのかもしれません。
オレンジは演技に使ったとも観客が演技に敬意を表して投げ入れいた物とも言われています。
ルノワール同様に印象派の代表的画家エドガー・ドガもフェルナンド・サーカスを何度か訪れており、作品を制作しています。
「フェルナンド座のララ嬢」(エドガー・ドガ)
(1879年頃)
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