ルノワールが代表作「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」と同時期に制作した印象派の特徴がよく表現されている作品「ぶらんこ」です。
主役の女性のモデルも「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」とおなじモデルで描かれています。
モデルは「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」の他にもルノワール作品のモデルを務めたジャンヌ・サマリーだとされています。
ルノワールは当時パリのモンマルトルに家を借りておりそこの大きな庭園での人々の様子を描いた作品です。
「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」と同様に木々の間から差し込む光や木漏れ日を斑点状に粗いタッチで表現しています。
現在はそのような表現は光の表現として理解されていますが、当時は理解されず評価はされなかったようです。
作品 ぶらんこ
本作品はルノワールの作品で複数回モデルを務めたジャンヌ・サマリーを主役の少女のモデルとして、2人の男性のうち、鑑賞者に背を向けているのはルノワールの弟エドモンド、木の陰から顔をのぞかしているのは画家仲間のノルベール・グヌットと言われています。
「ぶらんこ」
(1876年)
本作品でルノワールは木漏れ日や光の表現を斑点状に粗い筆跡で表現しています。
当時の人々はこのような光の表現に困惑し評価を得ることはできず、作品の買い手も現れなかったため、最終的に友人であり、同じ画家で「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」の買い手でもあったギュスターヴ・カユボットが購入しています。
また、本作品は光の表現の他に色彩の補色性、対比性が強く意識されています。
女性の白い服に青いリボン、鑑賞者に背を向けている男性の藍色の服装と黄色い帽子、木の陰から顔を出す男性の黄色い服装、作品左下の幼女の白、青、黄色の服装と主要人物が3色の配色で描かれています。
コメント