1866年から1872年にかけて、ルノワールはリーズ・トレオという女性をモデルに数点作品を制作しています。
彼女は、ルノワールの恋人だったと言われています。
「日傘のリーズ」は、リーズ・トレオをモデルにした作品でサロンにも入選して、ルノワールのキャリア初期での成功作となっています。
作品:日傘のリーズ
「日傘のリーズ」
(1867年)
1864年以降サロンで落選が続いていたルノワールが、諦めずにサロン出展を続け1868年入選を果たした作品で、サロンで好評を得ます。
本作品の前年にルノワールは、リーズ・トレオをモデルに「狩りをするディアナ」という作品をサロンに出展しましたが、落選しています。
「狩りをするディアナ」
(1867年)
作品:夏・習作
「日傘のリーズ」で好評をえたルノワールは、再びリーズ・トレオをモデルに「夏・習作」を制作、サロンへ出品、入選しています。
「日傘のリーズ」と比較して、タッチが荒いため作品名に「習作」とつけて、批評をかわそうとしたとされています。
背景の描写などは徐々に印象派風な作風となっていっているとも言えます。
作品:浴女とグリフォンテリア
「浴女とグリフォンテリア」
(1870年)
「夏・習作」の翌年、リーズ・トレオをモデルに「浴女とグリフォンテリア」を出品し入選しています。
この作品は、ギュスターヴ・クールベの写実主義の影響を受けている作品と言われています。
リーズ・トレオの肖像写真
ルノワールの恋人だったと言われるリーズ・トレオですが、別の男性と結婚しており、結婚後はルノワールのモデルとなることはありませんでした。
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