北欧のフェルメールとも言われる19世紀、デンマークの画家ヴェルヘルム・ハンマースホイの作品「陽光の中で読書する女性 ストランゲ―ゼ30番地」です。
ストランゲ―ゼ30番地とはハンマースホイが住んだアパートの住所です。
本作品はオランダ黄金期の画家ピーテル・ヤンセンス・エーリンハの作品「読書する女性」を参考に制作されています。
ハンマースホイはエーリンハの「読書する女性」の写真を所有していたようです。
本作品は箱根にあるポーラ美術館に所蔵、展示されています。
作品 陽光の中で読書する女性、ストランゲ―ゼ30番地
ハンマースホイが人物を描く場合、多くが鑑賞者に背を向けてモデルは家族や知人となっていますが、本作品の読書する女性はハンマースホイの母親と言われています。
「陽光の中で読書する女性、ストランゲ―ゼ30番」
(1899年)
遠近法と室内に入る陽の光の描写など、オランダ黄金期のヨハネス・フェルメールやピーテル・デ・ホーホなどの作風に大きく影響を受けていることが分かる作品です。
本作品はオランダ黄金期の画家ピーテル・ヤンセンス・エーリンハの「読書をする女性」を参考に制作されたことが分かっています。
「読書する女性」(ピーテル・ヤンセンス・エーリンガ)
(1665‐1770年頃)
ハンマースホイは、女性がかぶっている頭巾までエーリンガの作品と同じように描いていますが、室内はより簡潔に描いています。
白黒を基調にした作品が多い、ハンマースホイは、本作品では白を強調した配色にしており、黒い服を着ている読書する女性が画面上のアクセントになっています。
また、配色の他に四角で多く構成される画面に三角形を形作る人物がアクセントともなっています。
コメント