絵具は、混ぜるとどうしても明度がおちてしまいます。
光の揺らぎなどを描く印象派の画家たちは、あまり色を混ぜず原色を使用することが多かったのですが、それを更に進化させたのが点描技法です。
点描技法
当時、明度を保つために、印象派の画家たちは、原色か原色からあまり混色されてない色を隣にカンヴァスにのせていく「筆触分割技法」を使って作品を制作していました。
「ひなげし」
(1873年)
印象派の代表的画家 モネの作品の「ひなげし」は、ひげなしの鮮やかな赤色がそのまま、カンヴァスにのせられています。
当時、科学の発展で光学、色彩学の発展もすすみ原色の点を配置することで、全く混色することなく明度を損なわず、彩色する「点描技法」が確立します。
点描技法を生み出した、ジョルジュ・スーラ
光学や色彩学の理論を研究したスーラは、印象派の筆触分割技法をさらに進めて、原色の点のみの彩色による点描技法を確立します。
代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」を1886年の最後の印象派展に出品し、話題となります。
その際に、批評家より新印象派という名称が付けられました。
主な作品
「アニエールの水浴」
点描技法が既に試みられているものの
人物の肌などでは、まだ、点描で描かれていません。
「シャユ踊り」
パリの盛り場でフレンチカンカンを踊る情景が
描かれた作品。遠近法を無視した、平面的な描写と
なっています。
「サーカス」
スーラの遺作となった作品です。
曲線が多用され、サーカスの動的な躍動感の
表現を試みた作品です。
「グランド・ジャット島の日曜日の午後」
スーラの代表作。
1886年、第8回印象派展(最後の印象派展)に出展され
新印象派と呼ばれるきっかけとなった作品。
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