ヨハネス・フェルメール 「絵画芸術」

ヨハネス・フェルメール

フェルメールの「絵画芸術」は寓意が込められている代表的な絵画です。

寓意:何かに例えた表現、裏の意味などの意味(アレゴリーとも言います)

絵画芸術の寓意

①画家はフェルメール本人

作品内の画家は、フェルメール本人と考えられています。

「取り持ちの女」
の左端に描かれた人物
フェルメールの自画像と

考えられています。

②女性は、「歴史の女神クリオ」を表している。

ラッパと書物を持つ女性は、ギリシャ神話に登場する歴史の女神クリオを表しています。

右手のラッパは、「人類の偉業を称える」左手の書物は「人類の偉業を記す」という意味をもっています。

女性の頭にある飾りは月桂樹を表し、ギリシャ神話を連想させています。

当時(17世紀)のオランダでは、絵画に格式があり
歴史画>肖像画>風俗画>風景画>静物画 の順で評価されました。

風俗画を描いていたフェルメールは、その事へ対する皮肉を込めて歴史の女神クリオの寓意を描いたのかもしれません。

モデルの女性はフェルメールの妻か娘とされています。
(身長(約150cm)から娘との見方が有力のようです)

フェルメールは、この作品を生涯、手放さなさず大切にしました。

③当時のオランダの状況を表すシャンデリアと地図

ハプスブルク家紋

ヨーロッパを支配していたハプスブルク家。
オランダは、スペイン帝国から独立間際の状態でした。
(スペイン王家はハプスブルク家です。)

シャンデリアの双頭の鷲は、ハプスブルク家を表しています。
(ハプスブルク家の紋章は双頭の鷲です。)

また、シャンデリアに火が灯されていない事がオランダで迫害されているカトリック教徒を表していると言われています。
※フェルメールは、プロテスタントからカトリックへ改宗していました。
(プロテスタントとしてオランダで、カトリックへの改宗は稀だったと思います。)
※ハプスブルク家はカトリック教であり、カトリック教の守護者でもありました。

地図は、オランダが描かれていますが、しわの右側のみが独立しており、
しわの左側は、まだ、ハプスブルク家の支配下となってます。
(当時の地図は西が上となっています。)

シャンデリアの位置がしわの左側に配置されています。

④机の上の石膏のマスクや布、革の意

机の上に石膏のマスクと布、皮が描かれています。

石膏のマスクは「模倣」、布や革は、「自由芸術」を表しています。

フェルメールがこの寓意から何を意図したかは、現在のところ不明です。

所蔵/展示 美術館

オーストリア ウィーンの美術史美術館が所蔵/展示しています。

ハプスブルク家のオーストリア皇帝:フランツ・ヨーゼフ1世の命により建設、1881年に完工とされています。

ハプスブルク家の支配下/影響下であった、神聖ローマ帝国(ドイツ)、オランダ、イタリア、スペインの絵画を主に所蔵しています。(敵対していたフランスの絵画は少ない)

ブリューゲル作品の所蔵は世界最多を誇ります。


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