農民画家とも呼ばれ、当時のフランドル地方(現在のベルギー、オランダ周辺)の人々の様子を描いたピーテル・ブリューゲル(父)が最晩年に描いた作品です。
農家の納屋で人々が結婚式を賑やかに行っている様子が描かれています。
人々のなかに花嫁は認識できるものの、花婿が誰かははっきりとは分かりません。
ブリューゲルの死後、彼の子孫は5代続けて画家となり、19世紀まで続いたことから、初代はブリューゲル(父)と表記されることが多いようです。
花嫁は誰
当時の女性は、頭巾で髪の毛を覆っており、花嫁に限り被り物をしないでよかったため、唯一、髪を下ろしている女性が花嫁とされています。
「農民の婚宴(結婚式)」
(1568年頃)
花婿と運ばれる食べ物?
当時の結婚式では、花婿の役目の一つとして結婚式に来た客を接待しなければならないため、作品中のお酒を注いでいる若者か、皿を配っている赤い帽子の男性が花婿ではないかとされています。
また、運ばれている食べ物が何かは、よくわかっていません。
その地方特有のブライというプリンの様な食べ物か、もしくはブレイというおかゆに甘みをつけた物ではないかと考えられています。
手前の子供が空の皿までなめています。当時は甘味が貴重だったこともあり、ご馳走が振舞われていたのが伺えます。
ブリューゲル本人?
右端で黒色の服を着て座っている男性は、村の領主とされていますが、扮装して農民の婚宴に参加したブリューゲル本人とも言われています。
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