ルネサンス期の巨匠ラファエロ・サンティとその弟子ジャンフランチェスコ・ペンニの合作と言われている作品です。
ラファエロがデザインを担当しペンニが絵画に仕上げたと言われています。
本作品は、二枚に裁断され樽の蓋そして使用されていたものを、後年発見され元通りに修復されたとの伝承があります。
作品:青い冠の聖母
「青い冠の聖母」
(1512-1518年)
作者については議論がされていましたが、現在はデザイン構成はラファエロ、絵画として完成させたのは、弟子のジャンフランチェスコ・ペンニとされています。
ラファエロの他の作品と比較して、鮮やかな酸性色の色遣いと、陶磁器のような仕上がりから弟子のジャンフランチェスコ・ペンニが完成させたとされているようです。
眠るイエス・キリストに聖母マリアがヴェールをかかげ、左手では幼児の洗礼者ヨハネの肩を抱えています。
イエス・キリストが作品の鑑賞者に顔を向けているのに対して、聖母マリアと洗礼者ヨハネの顔はイエス・キリストに向けられています。
本作品の構造はラファエロの他の作品「ロレートの聖母」と多くの共通点があるとされています。
作品:ロレートの聖母
「ロレートの聖母」
(1508-1509年)
「青い冠の聖母」と同様にヴェールをイエス・キリストに掲げている様子が描かれています。
洗礼者ヨハネは大人として描かれていますが、題材は同じものと考えられます。
10年ほど前に描かれたと考えられる「ロレートの聖母」では、背景は描かれていませんが、「青い冠の聖母」では、葡萄畑や建物など描かれより洗練された印象をうけます。
両作品はともにその描かれた内容から「ヴェールの聖母」と呼ばれることもあります。
「正義の女神」
(1509-1511年)
「ロレートの聖母」は同時期に描かれたヴァチカン宮殿 ラファエロの間の「署名の間」にある「正義の女神」との聖母の表情の類似点が確認されています。
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