17世紀のオランダ黄金期の画家ユディット・レイステルの作品「猫とウナギと持つ少年と少女」です。
当時は女性画家が活動、成功することは難しい時代でしたが、ユディット・レイステルは画家組合の組合員や弟子を3人もつなど、他の画家からも尊敬される存在だったようです。
また、彼女の画風からフランス・ハルスの影響があることが明らで、ハルスの弟子であったのではないかと考えられています。
本作品「猫とウナギを持つ少年と少女」も画面の左上を見るような肖像画、暗い背景に光があったった表情の描写などハルスの影響を印象付ける作品です。
作品 猫とウナギを持つ少年と少女
本作品でレイステルが表現しようとした意図については、現在、さまざまな解釈がされていますが確定はしていません。
「猫とウナギを持つ少年と少女」
(1635年頃)
解釈は確定していませんが、猫にいたずらして、引っかかれるといった「自身に災いがかえってくる」やウナギを尾を握るように「ある事にしがみついても意味がない」といったオランダの諺を表現していると考えられています。
少女が鑑賞者に視線を向け、指を際していることから何かを示していることは明らかです。
いたずらそうな表情は、これから猫をいじめようとしているのかもしれません。
レイステルは、画面上の対角線上に二人の子供の顔の中心を配置、また光が対角線上に当たるような描写をしており、画面構成は安定しています。
また、対の対角線で少年と少女がわかれており、二人ともが本作品の主役であることを印象付けています。
斜め上を眺める少年の表現は、レイステルが師事したと思われるフランス・ハリスの影響が大きいと思われます。
「リュートを弾く道化師」(フランス・ハリス)
(1623-1624年頃)
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