バレリーナを題材にした作品を多く制作した印象派の画家エドガー・ドガです。
彼の作品の半数以上がバレリーナを描いた作品となっています。
エドガー・ドガ
エドガー・ドガ(1834年~1917年)は、印象派創設に影響を与えた画家で、創設メンバーのうちの一人です。
一般的には印象派の画家とされていますが、本人は自分は写実主義の画家であるとして印象派と呼ばれることを嫌っていたそうです。
裕福な家庭に育ったドガは、厳格なアカデミックな絵画技法も学んでおり、彼自身も古典的な歴史画を描きたいと思っていたようです。
バレリーナを多く描いた理由
裕福な家庭に育ったドガは、オペラ座の会員になっており、一般人は入れない、楽屋や稽古場に自由に入れたようです。
もともとバレエを好んでいたようですが、バレエダンサーを多く描いた理由は、バレリーナの絵は、当時、よく売れたたうえ、ドガには作品を多く売らなけらばならない理由がありました。
銀行家だった父親が負債を残して亡くなった事、事業を引き継いだ兄が、事業失敗によりさらに負債を大きくしてしまった事により、ドガは、負債の返済の為、できるだけ多くの作品を売る必要がありました。
彼のバレリーナの作品の多くは、完成がはやいパステルで制作されているのもそんな理由からと考えられています。
バレリーナで描こうとしたこと
ドガは、バレリーナを多く描いていますが、上記の「踊りの花形」の左側にいる男性や下記の「舞台のバレエ稽古」の右端の男性たちのように、バレエとは、あまり関係のない男性が描かれています。
当時のバレリーナの地位はとても低く、パトロンがいないと生活できなかった為、踊り子たちは、裕福なパロトンを得るための自身のアピールのために踊っていたとも言えます。
ドガは、そんな裏の部分も描く事により、踊り子たちが抱えている背景、当時の上流階級の暗部も表現しようとしたのかもしれません。
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