フィンセント・ファン・ゴッホが南フランスのアルルでポール・ゴーギャンと共同生活をしていた際に制作した作品「エッテンの庭の記憶」です。
エッテンとは、一時期ゴッホが家族とともに暮らしたオランダの町の名前です。
本作品は、基本的に自身が見たものを描くスタイルのゴッホが、ゴーギャンの想像力を使い、自由に対象物を描くスタイルに習い制作しています。
エッテンで暮らしていた時期の母と妹を思い出して描いたようです。
作品 エッテンの庭の記憶
当時、共同生活していたゴーギャンの想像した物を描くスタイルに習い、思い出をもとに制作した作品「エッテンの庭の記憶」です。
「エッテンの庭の記憶」
(1888年)
ゴーギャンの作品「アルルの老婦人」を参考に描いており、構成が類似しています。
(参考)「アルルの老婦人」(ポール・ゴーギャン)
(1888年)
画面左側に描かれているのはゴッホの母と妹です。
画面の左と右で配色が違っており、母と妹が描かれている左側は暗い配色となっています。
母と妹の表情もどこか暗いイメージの表情です。
ゴッホにとってはあまりいい思い出ではないのかもしれません。
ゴッホは、想像したものを描くスタイルは自身には合わないと、すぐに戸外で見たものを描くスタイルに回帰しています。
そのため、本作品「エッテンの庭」はゴッホにとっては満足いくものではなかったのかもしれませんが、妹と母親や画面対角線での寒色と暖色の対比はゴッホの特徴的な配色となっています。
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