近代絵画の父とも言われ、印象派の画家達など近代の画家達に大きな影響を与えたエドゥアール・マネの作品「旗のモニエ通り」です。
モニエ通りとは、パリ市内の通りで現在は、ベルヌ通りと呼ばれています。
本作品「旗のモニエ通り」は、当時のマネのアトリエの2階の窓から見える1878年6月30日の「平和祭」と言う国民の祝日の様子を描いています。
「平和祭」という祝日は、1870~71年の普仏戦争、その後のパリ・コミューンの混乱から復興したフランスを讃える日として制定、現在は7月14日の建国記念日へ変更されています。
作品 旗のモニエ通り
エドゥアール・マネが自身のアトリエ2階から見える1878年6月30日「平和祭」の様子を描いた作品です。
「旗のモニエ通り」
(1878年)
マネや印象派の画家たちが活躍した18世紀後半のフランスは普仏戦争や帝政から共和制への体制変更、パリ・コミューンなど混乱期が過ぎたばかりの時代でした。
混乱期からの回復を祝う祝日として6月30日を「平和祭」として祝日に制定され、本作品は、その日の様子を描いた作品です。
同日の別の通りの様子をクロード・モネが2作品描いています。
(参考)「サン・ドニ街、1878年6月30日」(クロード・モネ)
(1878年)
(参考)「モントルグイユ街、1878年6月30日」(クロード・モネ)
(1878年)
モネの作品では、フランス国旗がたなびき、国全体でお祝いの様子が描かれています。
一方で、本作品では、復興したパリと犠牲となった人々の対比がされています。
画面右側には馬車と高級そうな服装の乗客が描かれており、左下には戦争によって片足を失ったと思われる松葉杖をつく男性が描かれています。
また、松葉杖の男性の隣で山積みになっているのは、鉄道工事からのがれきの山です。
マネは、画面の左右で復興とその犠牲となっているものを対比して描いています。
白系の画面の配色にフランス国旗が散りばめられていますが、中心に黒い馬車を配置して鑑賞者の視線がばらけないようになっています。
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