ディルク・ファン・バビューレンの「取り持ちの女」は、フェルメールの義母が保有していたことでフェルメールに大きな影響を与えました。
フェルメールは同じ題材・題名で作品を制作、さらに、他の作品のなかにも画中画として登場させています。
ファン・バビューレンの「取り持ちの女」
ディルク・ファン・バビューレンは、バロック期のオランダの画家で、活動期間も短く現存している作品も少ない画家です。
この「取り持ちの女」はファン・バビューレンの作品で最も有名な作品となっています。
「取り持ちの女」
(1622年頃)
取り持ちの女と言うのは、娼婦と客を仲介する女性で、作品では右側の年老いた女性になります。
その女性の手の様子は、この娼婦の値段が高いことを示しています。
フェルメールの「取り持ちの女」
フェルメールの最初期の作品とされ、フェルメールの署名と制作年の記載が確認されている3点の作品のうちの1点です。
他の2点は、「天文学者」と「地理学者」です。
「取り持ち女」
(1656年)
左側の男性は、フェルメールの自画像と言われています。
作品中の「取り持ちの女」
フェルメールは自身の2点の作品にファン・バビューレンの「取り持ちの女」を登場させています。
合奏
「合奏」
(1664年頃)
この作品は、1990年に盗難にあってしまい、現在も発見されていません。
ヴァージナルの前に座る女
1670~1672年頃に制作された作品です。
「ヴァージナルの前に座る女」
(1670-1672年)
フェルメール晩年の作品です。なぜ、作品のなかに「取り持ちの女」を描いたのかは、定かではありません。
当時、音楽と性愛は、一般的に関係性があるとされている為、音楽を題材とした作品のなかに「取り持ちの女」描いたと言われています。
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