エドゥアール・マネが晩年、友人から依頼された四季を主題とした連作のうち「春」と「秋」です。
残念ながら夏は未完となり冬は制作まえにマネは死去してしまいました。
作品:春
1881年にマネが制作をはじめた女性をモデルに四季を表現する連作の第一作目の作品です。
「春」
(1881年)
モデルは当時パリで活躍していたジャンヌ・ドマルシーという女優で、その名から本作品は「ジャンヌ」とされることもあります。
女性が花柄のドレスをまとい背景は若葉の茂みと青空が描かれており、春を表現しているのがはっきり認識できます。
本作品は、カラー印刷で出版物に掲載された初めての美術作品とされています。
マネはジャンヌ・ドマルシーをモデルにパステル作品を制作しています。
「ベンチにて」
(1879年)
作品:秋
1882年に制作され1883年にマネが死去するまで手元においた作品です。
菊の花をあしらった壁を背景に毛皮をまっとい、栗色の髪の毛で女性が秋を表現されています。
「秋」
(1882年)
モデルは、メリー・ローランという女優です。
マネの死去、この作品はオークションに出品、落札された後、メリー・ローランの手に渡ります。落札した画商がどのような経緯で落札したのかははっきりしていません。
メリー・ローランは、死ぬまで本作品を所有し、死去後、故郷のナンシーのナンシー美術館へ遺贈しました。
作品:乗馬服の女
夏の作品として制作されたとされる「乗馬服の女」ですが、未完となっています。
「乗馬服の女」
(1882年)
夏として描かれたとおもわれており「夏」「女傑」という呼ばれることもあります。
モデルは、「春」「秋」と違い女優ではなく、モスク通りにあった本屋の娘とされています。
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