イタリア ルネサンス期の画家 フィリッポ・リッピのキャリア最後期に描かれた作品であり、最も有名な作品です。
その後の聖母子像の表現に大きな影響を与えたとされる作品とされています。
フィリッポ・リッピ
イタリア ルネサンス期中期の画家でボッテッェチリの師でもありました。
女子修道院の司祭でありながら修道女と駆け落ちするなど奔放な性格であったようです。
パトロンのメディチ家やローマ教皇の計らいがありリッピと修道女は還俗を許され、二人は結婚し2人の息子が生まれました。
司祭と修道女の駆け落ちは、当時、大スキャンダルとなったようです。
当時、リッピは50代、修道女は20代でした。
作品:聖母子と二人の天使
聖母は、駆け落ちした修道女ルクレツィアをモデルに、二人の天使はルクレツィアとの間に生まれた2人の息子をモデルにしたと考えられています。
「聖母子と二人の天使」
(1450-1465年)
額縁を描き、天使の羽などがその額縁の外に出ているように描いており、だまし絵的な効果をだしています。
聖母子とイエス・キリストの描き方
聖母とイエス・キリストを描く際、幼児のイエス・キリストに対して大人の聖母の方がどうしても大きく描くことになり目立ってしまいます。
どちらが上との明確な教義はないのですが、どのようにイエス・キリストを優位に描くかが難しいテーマでした。
リッピは、作品の中心に聖母とイエス・キリストの手を描き、イエス・キリストの手を聖母の手より上に描いています。
また、聖母の顔をイエス・キリストに対して少しうつむかせてお祈りをするように見せてることによりイエス・キリストが聖母より優位である表現をしています。
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