フィンセント・ファン・ゴッホの特徴とされる、夜空を黒を使わずに深い青色で表現した最初の作品と考えられています。
この作品が展示された当初は題名に「夕方の喫茶店」という名を付けられたことから当時の人々には夜空とは認識されず、夕方と認識されていたようです。
本作品は、ゴッホが南仏アルルに移住して描かれた作品で、比較的裕福な階層向けに営業していたカフェテラスを描いた作品です。
作品:夜のカフェテラス
本作品にはゴッホのサインが記されていませんが、残されたゴッホの手紙などから彼の作品と断定されています。
題材となった、カフェテラスは現存しており、現在は彼が画架を置いたと思われる場所に、画架がセットされているそうです。
「夜のカフェテラス」
(1888年)
本作品では、夜空が深い青色で描かれているほか、黄色く描かれた店内に自然と視線が行くような構成になっています。
石畳みも店内に向かって少しづつ小さく描かれています。
最後の晩餐を参照
この作品には、画家になるまえに牧師を目指していたゴッホが、レオナルド・ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を参照して描いたとの説があります。
カフェには12人の客がおり、中央で立っているのは、イエス・キリストのような髪の長い人物です。
その髪の長い人物の後ろには十字架のような窓枠が描かれています。
また、店から出ようとしている左の影の人物はユダではないかと言われています。
「最後の晩餐」
(1495-1498年)
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