ルネサンス期の巨匠ミケランジェロ・ブオナローティが制作した作品でミケランジェロの現存するパネル絵3点のうちの1点で唯一の完成している作品です。
聖家族とは幼児のイエス・キリストと聖母マリアと養父である聖ヨセフの3人の家族のことでルネサンス期からよく描かれる題材となったようです。
また、フィレンツェの守護聖人である洗礼者ヨハネが聖家族とともに描かれています。
本作品はトスカーナ地方の有力者同士の結婚を記念して依頼された作品とされています。
作品 聖家族
本作品は、円熟期のミケランジェロの作品で現存する唯一の完成したパネル絵です。額縁も当時のままのものが使用されています。
「聖家族」
(1507年頃)
鮮やかな色で聖母マリアを描いてマリア中心であることを表現しています。
聖母マリアと幼児イエス・キリストを描く場合、マリアがイエス・キリストを抱きかかえる姿などイエス・キリストを前面に描くのが一般出来ですが、本作品の構図は非常に珍しい構図となっています。
聖母マリア、聖ヨセフ、洗礼者ヨハネの視線はイエス・キリストに向けられていますが背景の男性たちの視線は全くイエス・キリストに向いていません。
水平に描かれている白い帯が洗礼者ヨハネと裸体の男性たちを隔てる役割をはたしています。裸体の男性たちの意味は現在、はっきりしていません。
裸体の男性達は異教徒を表しており別世界の人々で洗礼(洗礼者ヨハネ)を受けてこちら側の世界(キリスト教)へ来ることを表現しているとも考えられています。
特徴的な額縁
額縁は当時のままのものが使用されてウフィツィ美術館で展示されています。
額縁のデザインはミケランジェロが手助けしたとも言われています。
額縁から5人の人物の頭が出ているデザインになっており、特徴的なデザインとなっています。
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