盛期ルネサンス期、ベネツィア派の巨匠ティツィアーノ・ヴェチェッリオの作品で三連作となっている作品の一作目とされています。
三連作は公爵家の書斎を神話画の連作で飾るというアイデアでラファエロ・サンティが基本計画を構想し、当時の著名な画家に発注されていたようです。
しかし、ラファエロが死去したことにより、基本構想はティツィアーノに引き継がれたようです。
本作品は、ティツィアーノを尊敬していたルーベンスにより模写されていますが、ティツィアーノを超えていないとの評価もされています。
ヴィーナスへの奉献(崇拝)
「ヴィーナスへの奉献(崇拝)」
(1518-1519年)
ルネサンス期に再評価されたギリシャ神話を題材にした作品でヴィーナス像に鏡を奉納する精霊たちと多くのキューピッドが描かれています。
主役のヴィーナス像が極端に右端に配置される構図になっており、対象に多くのキューピッドを描くことでバランスをとっています。
ティツィアーノを尊敬していたルーベンスが模写していますが、ティツィアーノのほどヴィーナス像を右端に配置していません。
ルーベンスの模写の方が柔らかい印象を受けます。
「ヴィーナスへの奉献(崇拝)」(ルーベンス模写)
(年代不詳)
連作の他の作品
三連作の一作目として制作されたため、ニ作目、三作目も制作されています。
「バッカスとアリアドネ」
(1520-1523年)
「アンドロス島のバッカス祭」
(1523-1524年)
「アンドロス島のバッカス祭」もルーベンスが模写しており、現存しています。
「アンドロス島のバッカス祭」(ルーベンス模写)
(年代不詳)
コメント