18世紀 フランスのロココ調時代の代表的な画家アントワーヌ・ヴァトーの作品で、喜劇の役者を描いた作品です。
「メズタン」とは、イタリア喜劇の有名な役柄で、基本的には脇役で主人公の女性に恋心抱くものの相手にされないという役柄です。
ヴァトー自身もイタリア喜劇やオペラに傾倒しており、本作品の他にも喜劇の登場人物を描いた作品を複数のこしています。
メズタン
メズタンは、パリで営業していたイタリア喜劇座のアンジェロ・コンスタンティーニが創作した役柄で、本作品のモデルもコンスタンティーニと考えれています。
役柄的には主人公の美女に密かに恋心を頂ながらも、まったく相手にされないという脇役です。
本作品でもそんな様子が描かれています。
「メズタン」
(1717年)
メズタンの背後には女性の石像が描かれていますが、背を向けています。
メズタンの表情も叶わない恋心を表しているようです。
色彩と構図
本作品は、木々の緑色の色彩のなかに緑と補色関係にある赤色をミズタンの衣装でアクセントとして使用しています。
靴には赤いバラが付けられ、画面の下部でもアクセントを入れています。
本作品はメズタンのポーズが綺麗に対角線上に描かれており、構造に安定感を与えています。
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