ドイツ・ルネサンスを代表する画家で息子も同名で画家として活躍したことことからクラナッハ(父)と表記されることがあります。
同時代のドイツではアルブレヒト・デューラも活躍しており、両者が競い合いながら多くの作品を制作しました。
また、クラナッハは宗教改革のルターと親交をもちルターとルター家族を描いた作品も多くのこしています。
「ユディット」は旧約聖書に出てくる物語のヒロインで他の画家にもよく題材とされました。
クラナッハは他の画家とは違い、女性の美しさに焦点を当てて作品を描いています。
作品 ユディット
ユディットは、敵国の将ホロフェルネスを酒に酔わせて眠らせ、寝首をかいて自国を救った女性です。
他の画家はホロフェルネスの生首をもつユディットを悪に打ち勝った女傑として描きましたが、クラナッハはユディットの女性としての美しさをより強く描いています。
「ユディット」
(1530年)
作品内の女性の着ているドレスは当時流行したドレスで、最新ファッションでした。
美しいドレスで女性の美しさを引き立たせています。
クラナッハは、生首を持つ女性を多く描いており、ユディットを題材としたもののほか、サロメを題材とした作品も多く描いています。
サロメ
サロメは福音書で洗練者ヨハネの首を求めた女性として、ユディット同様に多くの画家に題材とされました。
「サロメ」
(1510年頃)
「サロメ」でもクラナッハは女性に当時流行のドレスを着せて女性の美しさを引き立たせています。
クラナッハは宗教改革で有名なマルティン・ルターと親交が深く、彼の肖像画や家族の絵をのこしています。
ルターの説明などで出てくる肖像画はクラナッハの作品が使用されていることがほとんどです。
「マルティン・ルターの肖像」
(1529年)
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