ピーテル・ブリューゲルの晩年の作品で、ブリューゲルが亡くなる前年1568年制作の作品「農民と鳥の巣取り」です。
「農民と鳥の巣集め」と呼ばれる場合もあります。
ブリューゲルは、1551-1554年にかけてイタリアを旅行しイタリア ルネサンス期の作品に接しており、特にミケランジェロの作品に感銘を受けたようです。
本作品「農民と鳥の巣取り」は、イタリア ルネサンス期の作品の影響を受けていると言われています。
作品 農民と鳥の巣取り
本作品は、オランダの諺で「鳥の巣がどこにあるかを知っているものは知識だけだが、実際に巣を取る物は巣を手に入れる」という諺を表現していると言われています。
「農民と鳥の巣取り」
(1568年)
作品中央に大きく人物を配置、鳥の巣を取ろうとしている人物を指さし、「自分は鳥の巣の場所を知っているが巣を取るようなことはしない」と鳥の巣を取ろうとしている人物を非難している様子を描いています。
鳥の巣を取ろうとしている人を嘲笑しているように見えます。一方、一歩先が川になっていることに気付いていないようで、川の場所までの知識はないです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作品のパロディ
本作品「農民と鳥の巣取り」は、レオナルド・ダ・ヴィンチ作の「洗礼者聖ヨハネ」のパロディとの説もあります。
「洗礼者聖ヨハネ」
(1513-1516年)
ブリューゲルは、自身がイタリア旅行で得た知識を実際の作品で表現しようとしたのかもしれません。
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