17世紀オランダ黄金期の巨匠レンブラント・ファン・レインの処女作とも言われている「聖ステファノの石打ち」です。
聖ステファノとは、キリスト教最初の殉教者と言われている聖人です。
天使のような外見で奇跡もおこしていたステファノに人々は引き付けられていましたが、それを良く思わない人々が彼を人々を騙していると訴えます。
ステファノは法廷で弁明の機会を与えられた際にユダヤ教を批判したため石打の刑に処せられました。
本作品は、石打の刑に処せられる聖ステファノを描いた作品です。また、作品中にはレンブラントの自画像が描かれています。
作品 聖ステファノの殉教
本作品では石打の刑を宣告された聖ステファノが、町の外で刑の執行者達に石を投げつけられている場面が描かれています。
「聖ステファノの石打ち」
(1625年)
聖ステファノを照らすように天から光が差し込んでいる様子が描かれ、ステファノがそれに向かって何か言葉を発している様子が分かります。
ステファノは、自身に石打をする刑の執行人たちにも神の加護があるように神に願っている場面です。
本作品では、左半分を暗くし、右半分を明るく描き奥行きを与えています。
作品中には、聖ステファノの他、刑を執行するため石をステファノに向けている人々、それを顔をしかめてみる周りの人々、騎馬の上から刑の執行を監督している役人、全体を上から見る王と貴族が描かれています。
本作品に描かれている王は、初代イスラエル王のサウル王だと言われています。
聖ステファノが石打されているところを見ている観衆の中に、レンブラントの自画像が描かれています。
レンブラントは自画像を多く残している画家ですが、本作品での自画像が最初の物とされています。
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