印象派の女流画家の一人でアメリカ人画家のメアリー・カサットの作品「家族」です。
メアリー・カサットは印象派創設メンバーでもあるエドガー・ドガのパステル画に感銘を受け、その後、ドガとも交流を持ち印象派展へと作品を出品するようになります。
カサットは、病気の母と姉の看病のため印象派からはなれ活動も休止しますが、再び活動を再開したのちは母親と子供を題材とする作品を主に制作するようになります。
本作品「家族」も母親と子供を描いた作品でカサットの後半生の作品の代表的作品とされます。
作品 家族
本作品「家族」はカサットがよく題材とした母親とその子供達が戸外の緑を背景に描かれています。
「家族」
(1891‐1892年)
母親の頭を頂点にして三角形の古典的な構図で三人の人物を配置しています。
赤ん坊を中心に母親から赤ん坊への視線、赤ん坊から姉と推測される少女への視線が描かれています。
鑑賞者の視線が最初に赤ん坊に行くような描写をしているように思えます。
また、少女が赤いカーネーションをもっていますが、赤いカーネーションは母の愛情を表す花であり、優しく赤ん坊を見守る母親の顔のしたに配置されています。
本作品は、全体的に平面的な描写がされており、特に背景や赤ん坊の描写は平面的な印象です。
平面的な描写は当時流行し、印象派の画家たちにも影響を与えた浮世絵の影響との説もあります。
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