印象派の先駆け的な画家エドゥアール・マネの作品「アルジャントゥイユ」です。
アルジャントゥイユはパリ北西のセーヌ河沿いに位置して当時、パリ市民が憩いの場として訪れ、流行していた舟遊びなどした場所です。
クロード・モネが住み、その後の印象派の特徴となる戸外で作品制作を行い、陽の光や水面の揺らぎなどを描写した場所でもあります。
マネも度々、アルジャントゥイユのモネを訪れ一緒に戸外での作品制作をしたとされ、本作品はそのような時期に制作された作品です。
本作品はマネが印象派を認め、支持を表した作品とも言われています。
作品 アルジャントゥイユ
本作品「アルジャントゥイユ」は、1875年のサロンに出品されましたが、その二次元的な描写から酷評されています。
「アルジャントゥイユ」
(1874年)
戸外で制作されたとされる本作品は、明るい色彩で配色されています。
描かれている男性は、後にマネの義理の弟なる人物で、他の作品「ボート遊び」で描かれている人物と同じ人物です。
「ボート遊び」
(1874年)
となりの女性は誰なのか判明していませんが、冷めた表情が描かれています。
男性は、女性をボート遊びに誘っているようですが、女性は全く興味がないようです。
本作品「アルジャントゥイユ」は、セーヌ河の描写が青い壁のようだと酷評されてしまいます。
当時、印象派をはじめとした多くな画家が旧態的な美術界を批判し、新たな表現方法や技法にチャレンジしていました。
また、ジャポニズムとして日本の浮世絵も流行し、浮世絵の二次元的表現は新たな表現方法として作品に取り入れられたりしていました。
本作品「アルジャントゥイユ」もセーヌ河の描写の他にボートの描写など二次元的な表現となっています。
本作品は、その後の印象派の中心画家となるモネとともに戸外で描かれ、マネ自身も印象派的な表現を自身の作品に取り入れて制作された作品だと思われます。
また、既に画家としての地位を得ていたマネが印象派を認め、支持を表明した作品とも考えれらています。
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