18世紀のフランス人画家ジャン・シメオン・シャルダンの作品「手紙に封をする女」です。
「手紙に封をする婦人」とも呼ばれています。
シャルダンは優雅で甘美な作風のロココ調全盛時代の画家ですが、一般市民や静物画など描いた作品を多く制作しています。
本作品「手紙の封をする女」はシャルダンの最初の風俗画と考えられており、その後の作品と比べると室内や人物が少し豪華な印象です。
手紙は、17世紀のオランダ黄金期にフェルメールなどがよく題材として描いており、絵画に描かれた手紙は、恋文を意味します。
本作品でも同様に恋文を意味しており、女性が恋文に封をして、恋人に手紙をはやく出そうと心躍らす様子が描かれています。
作品 手紙に封をする女
本作品「手紙に封をする女」は自身が書いた恋文に封をしてはやく出したいと心躍らせる女性と封の為の蝋を溶かすために冷静に火を移している召使の男性が描かれています。
「手紙に封をする女」
(1733年頃)
心躍らせる女性の表情と冷静な召使の男性の表情が対比されています。
ヨーロッパの絵画作品で手紙は、恋文を意味します。本作品は女性が恋人に手紙を出すために蝋で封をしようとしている場面であることがわかります。
女性の足元には犬が描かれていますが、犬は忠実を意味しており、女性の恋人への忠実な心を表しています。
本作品は女性と召使の男性で、二つの三角形を構成しており、作品に安定感をもたせています。
女性や男性の衣服、テーブルクロス、羽ペンなども詳細に描写されており、当時から本作品への評価は高かったようです。
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