印象派の画家カミーユ・ピサロの作品「二人の若い農婦」です。
印象派の画家として8回あった印象派展の全てに出品した唯一の画家です。
印象派の代表的画家ですが、一時期、新印象派とされる点描描写を確立させたジョルジュ・スーラやポール・シニャックと交流し、点描描写による作品制作をしています。
本作品「二人の若い農婦」は、ピサロが点描描写による作品制作を行っていた時期の作品です。
また、ピサロは農民や農村の様子を描くのを好んでいたこともあり、本作品の題材も農作業中に休憩している若い農婦を描いています。
作品 二人の若い農婦
ピサロが点描描写による作品制作を行っていた時期の作品で、点描による表現がされています。
「二人の若い農婦」
(1891‐1892年)
画面の前面に農作業中に休憩していると思われる若い農婦を配置しています。若い農婦の表情は二人とも疲れているようにも見えます。
点描は配色を重視した手法で、本作品では画面の左右で、背景の配色が異なり、背景に合わせて二人の農婦が画面に溶け込むように農婦の服の色も工夫されています。
画面左は、陽の光を受けて明るい配色となっており、また、緑の農地ではなく木々が描かれ薄い茶色系の配色が多くなっており、農婦も金髪で描かれ背景に溶け込むような配色となっています。
一方、画面右は、左より陽の光を弱く描き、背景は農地の緑色を多く配色しています。農婦は暖色の赤い頭巾をアクセントにして、緑と同様の寒色である青色で描いています。
また、ピサロは二人の農婦の体を画面の中心から対角線上に配置して三角形を構成させ、画面前面に二人の人物を配置しつつも、画面には落ち着きがある印象を与えています。
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