南仏モンペリエの裕福な家庭の出身であったバジールは、自身で作品制作するとともに後の印象派の画家となる若者達を経済面でも支援しました。
本作品「ピンクのドレス」はバジールが23歳の時に制作したキャリア最初期の作品です。
バジールは1870年に勃発した普仏戦争に志願兵として参加し、戦死しており、その後に開催される印象派展には参加することが出来ませんでした。
そのため、作品数も約70点と少ないですが、その後の印象派が形成されていく初期のころの様子がわかる貴重な資料ともなっています。
作品 ピンクのドレス
本作品「ピンクのドレス」は、バジールが従妹をモデルに描いたキャリア初期の作品です。
「ピンクのドレス」
(1864年)
街の様子を眺める女性の後ろ姿は、画面の対角線上に配置し、画面に安定感を与えています。
また、街にある一番高い塔が画面の中心線上に描いており、より鑑賞者に安心感を与えています。
街の塔を中心に陽の光があたっているような描写ですが、両端に暗い緑で木、下に暗い茶色の塀を描くことでより陽の光があたっている場所を強調しています。
本作品を制作した当時はバジールは、画家への志と共に医師を目指して医学の勉強をしていましたが試験に落第したため、本格的に画家への道を進むこととなります。
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